卵巣がんだった 2

卵巣ガンのこと

前回、卵巣がんのステージIC期と診断された後の続きです。

死ぬ事以外かすり傷

実は診察が終わったら仕事に行こうと思っていたみーさんでしたが、(その時点でかなり軽く考えていたことが分かりますね。)予想外の深刻な病状に冷静さを失ってしまいとても出勤できる状態じゃありませんでした。

欠勤の連絡も出来ないだろうと判断した夫が代わりに職場に電話をし、放心する私を自宅まで連れ帰ってくれました。

本当は何も考えたくないけれど、

でもそんな事を言っていられない状況。

家に帰ってすぐに今後の事を話し合いました。

卵巣も子宮も全摘出。

それはもう母になることはできないということ。もしかしたら女ですらなくなってしまうのかもしれない。この時の私にはそうとしか思えなかった。

夫を幸せに出来ないかもしれないのに、夫とこのまま一緒にいていいのだろうか?

今ならまだ間に合う。

夫の幸せを願って、夫の手を離そう。

そんな事を考えてる私を見透かして

『俺の為に別れた方がいいとか考えてるだろ?』

と夫が言いました。

まんまと気持ちを言い当てられて、泣くことしかできない私に、夫も泣きながら言いました。

『子供はいらない。2人で生きて行こう。だから、全摘しよう。』

あぁ、この人は私と一緒に苦難を乗り越えようと言ってくれてる。

私にはこの手を離す勇気なんてありませんでした。

実はこの年の始めに、実父を亡くしていました。

この手を離したら1人になってしまう。

『ごめんね。子供が産めなくて。でもそばにいて下さい。』

そう言って2人で思いっきり泣きました。

その数日後、セカンドオピニオンで予約した病院に行きました。

がんセンターの検査結果とカルテのコピーを持参して、たった30分で20,000円。

でも診断結果は同じ。

リンパ節転移の可能性がある以上、温存すれば命に関わるとのこと。

諦めるしかない。理解はできても納得はできず。

次のがんセンターの予約までの時間、もがいてもがいて、なにか情報がほしくて読み漁った同じ卵巣がんで闘病している方が書いたブログたち。

その中で、心に響く言葉がありました。

死ぬ事以外かすり傷

こう書いていたブロガーさんは、がんが見つかった時にはすでに腹膜に転移してしまっていて、このブログを書いている時には何度目か分からないほどの抗がん剤治療の最中の方でした。

この言葉は今でも私の胸にいます。

入院、そして手術

7/7(月) 入院

七夕でした。

夕飯に特別メニューのゼリーが出たのを覚えています。

2日後には手術のため、術前の説明や検査など

夕方まではやることがあって割とあっという間に過ぎました。

主治医からの説明では、

  • 開腹後、まずは左卵巣と転移と思われるリンパを切除
  • 術中に迅速病理検査を行う
  • その結果、悪性ならそのまま全摘
  • 悪性でなければそのまま右卵巣と子宮は残す

可能性は五分五分。

だけど、この時はもう覚悟を決めていました。

ここで死ぬわけにいかない。リスクは冒せない。

そう主治医に伝えると、

『全摘すると今後の生活に支障が出てしまう。みーさんの年齢を考えると、女性ホルモンが全く出なくなるのはかなり辛いと思います。出産の事だけでなく、そういう面でも悪性でなければ残しましょう。』

という事でした。

そうか、そういうことも考えての結論なんだ。

たった数日では、ネットやブログでは調べきれないことがたくさんあるな、と思いました。

翌日、手術の準備で下剤を服用。(でも食事は3食ちゃんと出たw 食べさせて下剤で強制排泄は地味に辛かったことのひとつです。)

夕食後はOS1を2本、翌朝6時までに飲むように指示されました。OS1初めて飲みましたが、すごくしょっぱかったです。ちなみに脱水の人が飲むと美味しく感じるんだと看護師さんが教えてくれました。

そして翌朝。手術当日。

すでに水しか出ない私のお腹の中。おかげで浣腸はなし。朝イチの手術だったので、8時には夫が面会に来ました。これまで大きな怪我も病気もなく生きてきたので、ものすごく緊張していたと思います。

手術室までは歩いて行きました。

ドラマなんかでは担架に乗せられて連れて行かれるイメージですが、全然自分で点滴スタンド押してスタスタ歩いて行きました。よく見るあのシーンはよっぽど安静が必要な方だけなんじゃないかと思います。

手術室のガラスの自動扉の前で夫にいってきます、と挨拶をしてその先のスタンバイされた緑の部屋へ。

手術台に寝て、硬膜外麻酔を腰にした後、顔に麻酔のマスクをつけられました。看護師さんに

『10からカウントしてくださーい』

と指示をされたのでそのままカウント。

10.9.8.7….意識なし。記憶なし。

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